正式種目として開催されるのは今回で9回目。
大会には全国の都道府県・政令指定都市から68チーム、総勢272名の選手が出場した。
9月9日(土)〜9月12日(火)の4日間にわたって「第30回全国健康福祉祭あきた大会・ねんりんピック秋田2017」が、厚生労働省、秋田県、一般財団法人長寿社会開発センターの主催、スポーツ庁の共催で開催された。
「ねんりんピック」の愛称で親しまれている「全国健康福祉祭」は、60歳以上の方を中心にあらゆる世代の人たちが楽しみ、交流を深めることができる健康と福祉の総合的な祭典。
今回、節目となる30回目の開催となったあきた大会では、秋田県内の17市町村を会場に26種目の交流大会が開催された。
卓球やゲートボール・マラソンなど10種目の競技がある「スポーツ交流大会」、水泳やサッカー・太極拳など12種目の競技がある「ふれあいスポーツ交流大会」、そして健康マージャン・囲碁・将棋・俳句の4種目の競技がある「文化交流大会」をメインに大会期間中は秋田県各地で関連イベントも数多く開催された。
今回、あきた大会は、
①笑顔がはじける夢ふくらむ大会
②世代を超え、地域を超え、絆を結ぶ大会
③健康長寿の素晴らしさを実感できる大会
④秋田の魅力とまごころあふれる大会
という4つの目標を掲げて開催。「秋田からつながれ!つらなれ!長寿の輪」をテーマに全国から集まった選手や観客の方々を迎えた。
今回で正式種目として9回目の開催となる健康マージャンは北秋田市での開催となった。
大会初日の9日(土)は、秋田県秋田市にある『秋田県立中央公園県営陸上競技場』において総合開会式が開催された。
開会式前には、なまはげ太鼓やこどもたちによる創作ダンスなどのアトラクションが行われて会場を大いに盛り上げた。これに続いて、47都道府県と20政令指定都市から参加した1万を超える選手団が、色とりどりの揃いのユニフォームで入場行進。旗手を先頭に元気いっぱいに行進する姿に会場からは大きな拍手と歓声がおくられた。
一夜明けて、いよいよ迎えた「健康マージャン交流大会」は10日(日)・11日(月)の2日間にわたって、秋田県北秋田市の『北秋田市鷹巣体育館』にて開催された。
主催は厚生労働省、秋田県、一般財団法人長寿社会開発センター、北秋田市、ねんりんピック秋田2017北秋田市実行委員会。スポーツ庁が共催。主管は秋田県健康マージャン推進実行委員会。後援は、一般社団法人日本健康麻将協会、一般社団法人全国麻雀段位審査会、日本麻雀連盟が行った。
今大会には42都道府県19政令指定都市から272名の選手が参加した。競技は1日目の10日(日)が団体戦、2日目の11日(月)は個人戦が行われた。
1日目の10日(日)は競技に先立って開始式が執り行われた。
最初に大会委員長である高橋純子・秋田県健康マージャン推進実行委員会会長が開会を宣言。続いて国歌の斉唱が行われた。
次に、ねんりんピック秋田2017北秋田市実行委員会会長の津谷永光・北秋田市長が歓迎のことばを述べた。
その後、大会役員・競技役員の紹介に続いて、協賛商社である大洋技研株式会社の伊藤勝則代表取締役社長、株式会社鳳凰の水野修代表取締役に感謝状が贈呈された。
次にゲストプロの伊藤優孝プロ(日本プロ麻雀連盟副会長)、井出洋介プロ(麻将連合GM)、土田浩翔プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会特別顧問)、藤崎智プロ(日本プロ麻雀連盟)、山口大和プロ(日本プロ麻雀連盟)、東城りおプロ(日本プロ麻雀連盟)、綾瀬まりプロ(日本プロ麻雀協会)、崎村あやかプロ(日本プロ麻雀協会)が紹介され、代表して伊藤優孝プロに記念品が贈呈された。
続いて特別表彰が行われ、「最高齢者賞」が加藤木英子選手(86歳、仙台市)、三谷一朗選手(88歳、京都市)に贈られた。
次に最高齢者の選手に続く年齢の選手、男女各3名に「高齢者賞」が贈られた。
その後、競技規定の説明に続いて、地元秋田県代表の佐藤充義選手が選手宣誓を行って開始式を終了し、団体戦の競技に入った。
選手宣誓をする佐藤選手
団体戦は各チームの選手4人が4ブロックに分かれて4回戦を戦い、その総合得点で順位を決定する方式となっている。
競技とともに大会会場には、地元の物産や観光などを紹介する「物産・観光PRコーナー」や、地元料理が味わえる「おもてなし料理コーナー」、健康づくりの指導・相談・ヘルスチェックをする「健康づくりコーナー」などが設けられた。
健康づくりコーナー
また、ゲストプロと体験対局ができる「お楽しみ対局」コーナーも会場と会場近くにある『北秋田市民ふれあいプラザ・コムコム』の2会場に設けられ、多くの参加者・観覧者を集めた。
昼食休憩後には、歓迎アトラクションとして地元に伝わる「比立内駒踊り」が披露された。
引き続いて団体戦後半の2回戦が行われ、初日の競技は終了となった。
競技終了後には、ゲストプロによる麻雀の「何切る問題」解説イベントが行われた。大会プログラムに掲載されている各プロ出題の「何切る問題」を東城りおプロの司会進行で各プロが討論。選手たちも自分の解答と照らし合わせて熱心に聞き入っていた。
ゲストプロと対局が体験できる「お楽しみ対局」コーナー
ゲストプロによる「何切る問題」解説イベント
2日目の11日(月)は、前日に行われた団体戦の表彰からスタート。
上位3チームが500点差以内という大接戦を制して見事団体戦優勝に輝いたのは、神奈川県代表の『やまゆり』チーム(内田巽・高嶋信之・小松恵美子・金子喜佐司)だった。
団体戦優勝の神奈川県代表『やまゆり』チーム
秘湯巡りが趣味だというチームリーダーの内田巽選手は、「2回戦まではけっこう下の成績だったので、無欲に戦えたのが最終4回戦での大逆転につながったと思います」と喜びを語った。
準優勝は石川県代表の『石川ゆーりん』チーム(橋場ひびき・北川邦昭・山本一彦・西進)、第3位は札幌市代表の『札幌市』チーム(鈴木力・横濱清隆・山竜馬(蟇目)・西田正幸)となった。
団体戦準優勝の石川県代表『石川ゆーりん』チーム
団体戦第3位の札幌市代表『札幌市』チーム
表彰終了後には個人戦の競技がスタート。個人戦は各チームの選手4人が4ブロックに分かれて戦い、ブロックごとに上位入賞者を表彰するという方式。よって各ブロック間に上下関係はないこととなる。
また、この日は「プロとのマージャン対局列車」というイベントが開催された。これは、秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣駅〜阿仁合駅間で、往復の貸切お座敷列車『麻雀トレイン洋介号』を走らせて、井出洋介プロと綾瀬まりプロが同乗し、列車内でイベント参加者の方々とお楽しみ対局を行なうというもの。
井出プロは「参加者の方々と一緒にテーブルにマットを乗せて、牌を出して、点棒を分けて、まるで家庭マージャンのようなほんわかした雰囲気でとても良かった。参加者の方々も、ぜひまた開催してほしいとリクエストする方が多かった」と感想を語った。
列車の中での麻雀を存分に楽しむ
また、もうひとつ、北秋田市高鷹大学の第21回学園祭とのコラボイベントとして記念講演「プロ麻雀士によるトークショー」と健康マージャン体験が開催された。「高鷹大学」とは鷹巣地区の高齢者のための生涯学習講座で、現在、北秋田市内の57歳から90歳までの200名以上の学生が学んでいる。会場となった『北秋田市民ふれあいプラザ・コムコム』には、「高鷹大学」の学生や観覧者など多くの方々が集まった。トークショーに参加した土田浩翔プロ・東城りおプロによる、麻雀の魅力や麻雀プロのプライベートなどについての楽しい話に会場は大いに盛り上がった。
個人戦2回戦終了後の昼食休憩では、参加選手・運営スタッフともども「健康体操」を行い、後半戦に向けて頭と身体を心地よくほぐした。
そしてついに個人戦も終了。2日間にわたった競技も終了となった。
この大会では競技終了後に選手のみなさんで麻雀牌の片付けが行われる。最後まで健康マージャンの精神が息づいている清々しい光景であったといえるだろう。
その後、成績集計の時間を使い、ギネス世界一認定を受けた地元綴子下町大太鼓保存会による「綴子大太鼓」のアトラクションが行われ、選手たちも大太鼓叩き体験を大いに楽しんだ。
また、この大会を通じて藤井徹選手(兵庫県、四暗刻)、増田嘉治選手(京都府、大三元)、岩永喜行選手(奈良県、九蓮宝燈)、薄根眞選手(栃木県、四暗刻)、草彅一雄選手(秋田県E、四暗刻)の5選手が役満を成就。記念としてゲストプロ全員のサイン色紙が贈られた。特に九蓮宝燈の役名が発表されると会場がどよめき、見事成就された岩永選手には、ひと際大きい歓声があがった。
九蓮宝燈を成就した岩永選手
個人戦の結果、全4ブロックの優勝は、【大太鼓ブロック】篠山良治選手(滋賀県)、【あじさいブロック】兵頭英昭選手(愛媛県)、【森吉山ブロック】若原順子選手(北九州市)、【マタギブロック】鈴木力選手(札幌市)となった。
準優勝は、【大太鼓ブロック】有本繁信選手(島根県)、【あじさいブロック】小島義雄選手(群馬県)、【森吉山ブロック】松浦良彦選手(仙台市)、【マタギブロック】服部義正選手(熊本県)、第3位は、【大太鼓ブロック】曽谷年和選手(山梨県)、【あじさいブロック】樫尾直樹選手(福井県)、【森吉山ブロック】仁位晢選手(京都府)、【マタギブロック】吉田健三選手(富山県)だった。
成績発表の後には表彰が行われ、各ブロック上位3名には賞状・トロフィー、そして各金・銀・銅のメダルが贈られた。
表彰式に続いて行われた閉会式ではゲストを代表して伊藤優孝プロと山岸次雄・一般社団法人全国麻雀段位審査会理事長が大会講評を行った。
憧れの伊藤プロからサインをもらう
続いて本大会を閉会するにあたって、御礼のあいさつをねんりんピック秋田2017北秋田市実行委員会会長の津谷永光・北秋田市長が行った。
その後、ねんりんピックが来年開催される富山県の役員・参加選手があいさつを行い、ねんりんの輪がしっかりとリレーされた。
そして最後に競技委員長の塚本亮一・秋田県健康マージャン推進実行委員会副会長が閉会を宣言し、大会はつつがなく終了した。