ダウンロード
全国麻雀段位審査会競技規定
全段審競技規定は多くの団体に認められた日本標準ルールです。
第1条 対局の基本
1.対局の人員は1卓4人とし、東南半荘をもって1回とする。
但し、競技大会においては50分にて打切りとする。
2.サイコロは、2個同時に1回振りとして合計目数とする。
但し、普通卓にあっては2回振りとする。
3.全局を1ハン(飜)しばりとし、場に2ハン(飜)をつける。
4.持ち点は、各自3万点とする。
5.座位の決め方
各自任意に座につき、任意の者がサイコロを振り、左廻りでその目数に当たった座を仮東とし、サイコロを振った者からの目数の者が伏せた東南西北と、その両端に置かれた奇数・偶数の牌より目数の奇数・偶数の側からとり、東風を引いたものが仮東に座につき、順次座位を定めるものとする。
6.チーチャ(起家)の決め方
座位決定ののち、仮東に座についた者がサイコロを振り、左廻りでその目数に当たった者を起家とする。起家を東家とし、左廻りにて以下南家・西家・北家とする。
7.開門と配牌
対局者は全部の牌を伏せて洗牌し、各自17トン(幢)ずつ並べこれを方形に組む。組んだ牌をピーパイ(壁牌)という。開門の箇所は親の振った『サイコロ』の目数に当たった者の壁牌からとし、その目数の次のトンから取り始める。その取り方は親から始め、南・西・北家の順に各自1回2トンずつ3回、次に1牌を取る。開門の場所を間違えた場合は、その局洗牌からやり直しとする。ただし、親の第1ターパイ(打牌)後は、そのまま続行する。
8.手牌とワンパイ(王牌)並びにハイテイパイ(海底牌)
手牌は13個を原則とし、1カン(槓)ある毎に1個を増す。
アガリ(和)の手牌は14個を原則とし、1槓ある毎に1個を増す。開門後の壁牌の末尾から数えて常に14個を王牌とし、王牌直前の牌を海底牌とする。海底牌をツモ(自摸)った者はカンツ(槓子)をつくることはできない。よって任意の牌を打たねばならない。
9.ツモ(自摸)
自摸は座位に順に従って壁牌から1個を取り手牌に加え、1牌をホー(河)に打ち、チー・ポン・カンがなければ、次の座位の者が次の牌を自摸るものとする。
10.ターパイ(打牌)
自摸したあと、和がりのない時は任意の牌を河に打たねばならない。これを打牌といい、牌が河に打たれた時、他家にチー・ポン・カンのない場合、誰もこれを取ることはできない。打牌が河に接すれば捨て牌とみなし、牌を取りもどして和がりの宣言や加槓はできない。
11.チー(吃)
吃は上家が打った牌を発声し手牌に加えシュンツ(順子)をつくり、これをフーロ(副露)し、手牌の中から任意の牌を河に打たなければならない。吃をした時は、自摸および同一の牌のくい直しはできない。
12.ポン(碰)
碰は他家の打った牌を発声して手牌の同一牌のトイツ(対子)に加え、コーツ(刻子)をつくり副露し、手牌の中から任意の牌を河にうたなければならない。碰をした時は自摸はできない。
13.カン(槓)
槓は手牌中の4個の同一牌を、あるいは自摸した牌をミンコーツ(明刻子)に加え、又は他家の打った牌を発声をしてアンコーツ(暗刻子)に加え、副露し手牌の中から任意の牌を河に打たなければならない。槓子を副露して、初めて槓として認める。槓子ができた時は、王牌の最終幢の一牌を自摸して補充する。
この補充する牌をリンシャン(嶺上)牌といい、この場合槓子を明示しなければ嶺上牌は取れない。チー・ポンをした者はカンはできない。アンカン(暗槓)及び手牌、又は自摸した牌を明刻子に加える加槓は自摸した時のほかはできない。槓は連続して行うことができる。チャンカン(搶槓)は他家が明刻子に加槓した場合、それが自己の和がり牌である時これを取って和がることをいい、暗槓並びに振り聴の場合は搶槓できない。
14.ホーラ(和了)
和りはチー・ポン・カンに優先する。発声のない場合、著しく遅れた場合はその限りではない、同一牌による二家以上の和がりは認めず、放銃家の方位順に近い家の和りとする。
15.和り牌の明示
自摸和は和り牌を明示し、手牌を公開する。
16.リンシャンカイホー(嶺上開花)
嶺上牌を自摸り、和った場合は全て自摸和りとし、自摸点二符を加える。
17.和り点の申告
和り計算及び授受は次の洗牌までに行い、次の局に移った後は訂正できない。
第2条 リーチ(立直)
1.メンゼンチンテンパイ(面前清聴牌)の時に立直を宣言することができる。立直の発声と立直宣言牌の横向けがあって有効となる。立直料は1,000点とする。
2.立直は自己の自摸牌があるときに限り、打牌時に宣言し、取消しはできない。
3.立直のあと暗槓はできるが、自摸牌が暗刻の牌と同一牌であり、聴牌の形が変わらない時に限る。
4.立直のあと自摸牌が和がりでない場合は、引きぼりしなければならない。
5.和がっている牌を打って立直(リーチ)の宣言はできる。
6.振り聴は自摸和りできるが、栄和(ロンホー)はできない。
7.立直後の和りの選択を認める。ただし、自摸和りに限る。
8.立直料は、その局の和了者が取得する。和了者のない場合は供託となり次局の和了者が取得する。立直の宣言の後他家の錯和があった場合も供託とする。
9.最終局が流局となった場合は、立直料は立直者に返還する。
第3条 振り聴
1.和り牌を自ら捨てている場合、また和り型式全てにおいて自ら捨てているものが、和りの1牌である場合。
2.立直を宣言していない時に和りを見逃した場合、同一巡内でのロンホー(栄和)はできない。
自摸和りはできる。1巡とは、自己の打牌に始まり下家・対面・上家の順に廻り、自己の自摸をもって1巡とする。
第4条 チョンボ(錯和)
1.次の行為は錯和とする。
(1)正当な和りでないのに和りを宣言したり手牌を倒した場合は錯和とする。但し、他家に正当な和りがあれば和りを認め、その罪は免れる。
(2)立直のあと、正当でない暗槓をしたとき。
(3)ノーテン(不聴)で立直を宣言し、その局が流局となったとき。
(4)故意・過失を問わず、自己もしくは他家の手牌を崩し、競技を不可能にしたとき。
(5)和りを宣言して手牌を公開し、他家が確認しないうちに手牌を崩したり、和りを不明にしたとき。
(6)誤った打牌の呼称によって誤った栄和があった場合は、双方の責任となり、双方とも錯和の扱いとする。但し、その打牌で正当な和了者があった場合は、和りを認めその罪は免れる。
2.錯和の罰符は子8,000点、親12,000点とする。
第5条 連荘及び親流れ(流局)と積み場
1.連荘は次の各項とし、積み場となり各自100点を供託するが、便宜上卓上に明示し、この積み符はその局の和了者が取得する。自摸和は各家が支払い、栄和は放銃者が全部を支払う。
(1)親の聴牌(テンパイ)及び親の和りの場合。
(2)九種倒牌の宣言があった時、その宣言は、吃・碰・槓・和りのない第一自摸後に限る。
(3)四風連打があった時。
(4)四槓ができて嶺上牌を自摸り、打牌終了にて和りがない時。但し、一家が四槓をした場合は、そのまま続行する。
(5)親・子を問わず、錯和(チョンボ)の発生の場合。
(6)五槓はできない。
(7)4人立直は流局としない。
2.次の項目は親流れ(流局)とする。親は次位に移り積み場となる。
(1)親のノーテン(不聴)
第6条 ドラ(懸賞牌)
1.ドラは王牌の最終尾から3幢目の上段の牌が表示牌となり、表示牌の次牌とする。但し、三元牌は白發中、風牌は東南西北の順とし、数牌は1から9の順とし、9は1に戻る。
2.ドラ牌は1牌につき1飜とする。但し1飜しばりを和る資格はない。
3.表示牌をめくり間違えた場合、表示されたドラは変えずに、正当な表示位置に入れ替えて競技を続行する。
4.裏ドラ、槓ドラ及び赤パイ等はない。
5.オプション規定:一発・裏ドラ・槓ドラ・槓裏ドラありの競技会を認める。
第7条 パオ(包)
1.パオは次の役満貫に適用される。
- ダイサンゲン(大三元) 3種目の三元牌をポンさせたとき。
- スーシーホー(四喜和) 4種類目の風牌をポンさせたとき。
- ツーシーソー(字一色) 4種類目の字牌をポンさせたとき。
- チンロートー(清老頭) 4種類目の老頭牌をポンさせたとき。
- リューイーソー(緑一色) 4つ目の面子(順子又は刻子)を副露させたとき。
2.パオの適用は自摸和は包牌の打牌者の一家払いとし、栄和は放銃者との均分払いとする。
場積点があった場合は放銃者が払う。
第8条 ノーテン(不聴)及び不聴罰符
1.流局となった場合、ノーテンの者は聴牌者に罰符を支払う。
2.ノーテン罰符は場に3,000点とする。
3.聴牌者は手牌を公開し、他家の確認を受けるものとする。聴牌は形式聴牌でよい。
第9条 罰則
1.次の行為をした者は、その局のチー・ポン・カンは認められず、和り放棄とし、流局時は全てノーテン扱いとする。
(1)他家の手牌・王牌を見た者。
(2)先自摸及び正当でない自摸をしたとき。
(3)チー・ポン・カンの副露の間違い及び誤った表示をしたとき。
(4)多牌または少牌をした者。
(5)手牌の一部または全部を公開した場合。
(6)ポン・ロンの連続発声をした場合。
2.次の行為をした者は罰符1,000点とする。和りの権利は認める。罰符はその局の和了者が取得する。但し、流局または錯和があった場合は次局に廻し、終局の場合はその罪は免れ、罰符は返還する。
(1)空チー・空ポン・空カンをした者。
(2)打牌の呼称をした者。
第10条 和り点
1.フーテイ (副底) 20符
2.メンゼンチンロンホー(門前清栄和) 10符
3.ツモ点 (自摸点) 2符
(注)チートイツ(七対子)自摸点はつかない。
4.和り点
(1)トイツ(対子)
サンゲンパイ(三元牌)2符
チャンフォンパイ(荘風牌)2符
レンフォンパイ (連風牌)2符
メンフォンパイ (門風牌)2符
(2)コーツ(刻子)
チュンチャンパイ (中張牌)
ミンコーツ (明刻子) 2符
アンコーツ (暗刻子) 4符
ヤオチュウパイ (么九牌)
ミンコーツ(明刻子)4符
アンコーツ(暗刻子)8符
(3)カンツ(槓子)
チュンチャンパイ(中張牌)
ミンカンツ(明槓子)8符
アンカンツ(暗槓子)16符
ヤオチュウパイ(么九牌)
ミンカンツ(明槓子)16符
アンカンツ(暗槓子)32符
(4)ペンチャンホー (辺張和)2符
カンチャンホー(嵌張和)2符
タンチャオホー(単吊和)2符
第11条 収支
1.和り点の計算は切り上げの切り上げとする。
2.満貫(40符の6飜) 子 8000点 親12000点
はね満(8飜以上) 子 12000点 親18000点
倍満(10飜以上) 子 16000点 親24000点
三倍満(13飜以上) 子 24000点 親36000点
四倍満(役満) 子 32000点 親48000点
3.競技順位は競技得点と順位点の合計とし、合計得点の多少により順位を決定する。競技得点は、持ち点以上の者を勝者とする。
4.順位点は次のとおりとする。加減法(勝者に12,000点を加点し敗者に12,000点を減点する)
- 一人勝 1位 12000点 2位 ▲2000点 3位 ▲4000点 4位 ▲6000点
- 二人勝 1位 8000点 2位 4000点 3位 ▲4000点 4位 ▲8000点
- 3人勝 1位 6000点 2位 4000点 3位 2000点 4位 ▲12000点
第12条 和り役
1.役の複合を認める。
2.特約
(1)門前清ピンフ(平和)の形を自摸ったもの 20符2飜
【ピンフ1飜・自摸1飜とする】 和り点80点
(2)七対子 25符2飜 和り点100点
親5割増しとする。
3.ファンパイ(飜牌)
三元牌・荘風牌(圏風牌)・門風牌を飜牌とし、その刻子・槓子1組ごとに1飜とする。連風牌は2飜とする。
4.飜役
1飜役
- リーチ (立直)
- メンゼンチンツモホー (門前清自摸和)
- ピンフ (平和) * 門前清に限る。
- タンヤオチュウ (断么九)
- ハイテイモーユエ (海底摸月)
- ホーテイラオユエ (河底撈魚) * 振り聴の場合は和了できない。
- リンシャンカイホー (嶺上開花)
- チャンカン (搶槓) * 振り聴の場合は和了できない。
- イーペイコー (一盃口) * 門前清に限る。
2飜役
- トイトイホー (対々和)
- ホンロウトウ (混老頭)
- サンアンコウ (三暗刻)
- サンショクドウコー (三色同刻)
- ショウサンゲン (小三元)
- サンカンツ (三槓子)
- イーチトンカン (一気通貫) * 副露した場合は1飜役とする。
- ホンチャンタイヤオ (混全帯么) * 副露した場合は1飜役とする。
- サンショクドウジュン (三色同順) * 副露した場合は1飜役とする。
- ダブルリーチ * 他家にチー・ポン・カンのない第い巡の立直
- チートイツ (七対子)
3飜役
- ホンイーソー (混一色) * 副露した場合は2飜役とする。
- ジュンチャンタイヤオ (純全帯么) * 副露した場合は2飜役とする。
- リャンペイコウ (二盃口) * 門前清に限る。
4飜役
- レンホー (人和) * チー・ポン・カンのない第1巡の放銃による和り。
6飜役
- チンイーソー (清一色) * 副露した場合は5飜役とする。
役満貫
- テンホー (天和) * 親の第一自摸による和り。
- チーホー (地和) * チー・ポン・カンのない子の第一自摸による和り。
- ダイサンゲン (大三元)
- スーシーホー (四喜和) * 一風は雀頭でもよい。
- ツーイーソー (字一色)
- リューイーソー (緑一色) * 發の有無を問わない。
- チンロートー (清老頭)
- スウアンコー (四暗刻)
- シーサンヤオチュー (十三么九) * 一つ待ちでもよい。
- チュウレンポートウ (九蓮宝灯) * 門前清で和った形が整えば、一つ待ちでもよい。
- スーカンツ (四槓子)
- ツーパイチートイツ (字牌七対子)
■全国麻雀段位審査会 競技規定について
無断転載を禁じます
昭和四十八年一月 制定
昭和五十年十月 一部改定
昭和五十五年三月 一部改定
昭和五十九年五月 一部改定
平成二年九月 一部改定
平成十二年十月 一部改定
平成十八年九月 一部改定
平成十九年三月 一部改定
ダウンロード
○競技はフェアに、見苦しい服装や相手に不快感をあたえる言動は慎みましょう。
○口笛、鼻歌、よけいな会話等はしないようにしましょう。
○ゲーム中、立て膝や肘を卓につく、足組など見苦しい態度はしないようにします。
○開門された前の人が、嶺上牌をおろしてドラ表示牌をめくります。
○親は第一捨て牌のあと、サイコロを自分の右手にかたずけます。
○先ヅモ禁止。上家が捨て牌を完了する前にツモ動作に入らないで下さい。先ヅモしたときはその前の打牌について、ポン・チー・カン・ロン等はできません。
○ツモから捨て牌までをすみやかに行って下さい。
○ツモはしやすいように壁牌を押し出して下さい。
○捨て牌は6牌ずつ並べ、下段に三段に捨てるようにします。
○自分の手牌を故意に他家に見せない。見せ牌はアガリ放棄です。
○口三味線は慎み、無用な発声や、牌をパチパチ鳴らすなど、用もない動作はしません。
○リーチの有無にかかわらず、他の人の手牌をのぞいてはいけません。
○捨て牌、ツモ時に余分な牌を持たないようにします。
○牌を卓に叩きつけるなど、捨て牌時に音をたてないようにして下さい。
○リーチ、ポン、チー、カン、ロン、ツモ等は、相手に判るようにはっきり発声しましょう。
○捨て牌のときに、牌を呼称するなど無用な発声はしません。
○アガった人は理牌して、手牌を公開します。
○点棒の授受は丁寧に行い、故意に点棒を借りないようにします。
○アガった人や振り込んだ人を批判したり、非難しません。